反対咬合
通常は上の歯が下の歯を破っています。
この状態が逆になり、上下の前歯が反対になっている噛み合わせを言います。
咬み合わせが逆だと顎が出てしまいます。
反対咬合について、症例を3つ紹介します。
どれも実際にあった症例です。歯を抜かずに完治しました。
【症例1】 上下の前歯の噛み合わせが反対になっている例
奥歯が咬んでいないで、横を向いています。
歯が反対になっています。奥歯はしっかりと咬んでいます。
このまま様子を見ていても悪くなるだけです。
装置で前歯を押します。
- 前歯が反対になっているので、奥歯ですりつぶすことができません。
咬む機能が低下します。その結果、上顎が未発達になります。
横顔が凹状になり、上唇が薄く、下唇が厚くなります。 - 前歯2本が後ろに生えているので次の歯が生えるスペースがありません。
叢生になります。 - 上顎の前歯が減ってしまい、形も変わります。
【症例2】 上下の前歯の噛み合わせが反対になっている例(乳歯)
顎は拡がらないと思っている患者さんがほとんどです。
顎が拡がれば歯は抜かずにすみます。
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反対咬合は上顎の発育不足です。
上顎を成長させなければ顔貌が大きく変わってしまいます。
歯だけの問題ではありません。
発育の問題ですからできるだけ早く治療を開始しましょう。
この患者さんは4歳から治療を開始しました。治療により上顎が発育しました。
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【症例3】 反対咬合と正中離開の合併
この症例の方が多く来院します。
この程度の叢生だと抜歯しか治療法が無いと思われがちですがスペースを作れば歯は並びます。
あきらめてはいけません。
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反対咬合は上顎の発育不足ですから色々な合併症を引き起こします。この症例は反対咬合と正中離開を合併しています。
治療は前歯を押し出します。その後、開いた2本の歯をワイヤーで寄せます。
治療が遅れると左右の2番目の歯が生えるスペースが無いので、悲惨な状態になります。
早く治療を開始しましょう。